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株式投資が分かる会社四季報活用入門





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見せ掛けの数字にだまされない方法

 

長期的に株式投資するのであればファンダメンタルズは無視できません。企業の業績など
を把握しないと長期投資で利益をあげるのは難しいからです。



しかし、企業が発表する決算は数字だけを眺めても理解できるものではありません。要所
要所をかいつまんで全体を把握する必要があります。



そういった意味でまず『連結事業』を必ず確認してください。また、もし仮に連結決算を発表
していない場合には『単独事業』を確認して下さい。



この『連結事業』欄は、直近決算期時点での主要事業の売上げの構成比(売り上げ全体
に占める各部門の割合)が記載されてます。



そして、それぞれの事業の売上高営業利益率(営業利益÷売上高×100)は、それぞれの
事業の構成比の後のカッコ内に記載されています。



ここでもし▲がついているのであれば、その会社の事業が赤字であることを示しています。



基本的に『連結事業』から、その会社の主力とされている事業の状態が良く分かります。
それぞれの事業が実際のところ本当に儲かっているのかいないのか一目瞭然です。



例えば大手家電メーカーの『連結事業』をみると、事業の多角化が進んでいます。



実際の収益性の中身を見てみると、物を製造すること以外にも金融で利益が多くを占め
てる場合があります。当然のことながらこの会社は金融を事業の柱とはしてません。



金融であげた利益が無ければ大赤字だったりするわけです。ここで判断が大きく分かれ
ます。「本業以外の収益が多すぎるから危険だ」、「トータルでよければOK」。



といった具合です。個人的には前者の方が正しい判断であると考えます。



また、収益のバランスを比較することにより、同業者の得意分野や弱い分野を知ることが
できます。これも大きなメリットの一つです。



また、メーカーでも取り扱っている商品が多いところは仕入れコストがかさむので必然的
に利益率が低くなりますが、この点も営業利益率を見れば比較的簡単に確認できます。



ちなみに、『連結事業』の後ろに記載されています『海外』の欄についてですが、これは
日本からの輸出や現地子会社が生産・販売した売上げの合計が全体の売上げに
占める比率(海外売上げ比率)です。



末尾の数字は決算期をさし、いつのデータかを表します。記事欄の前半部分である業績
事業は主として『連結事業』に基づいて記載されています。



見かけだけの数字に騙されないためにも、企業業績を調べる際は『連結事業』に目を通す
べきです。会社の中身が見えてきます。
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