ここにきて
米国株式市場がリーマンショック以前の状態に回復したことによって、世界中の
市場が後を追うような格好で上昇に転じています。
アップル、グーグル、マイクロソフトといった企業が好決算を打ち出しているのを見れば
アメリカの景気は回復に向かっていると思われるかもしれません。
しかし、ニューヨークのような大都市でもシャッターを閉じている店舗や空き看板が目立つ
状態にありますので街角景気は依然として良くありません。
高止まりしている失業率がそうした状況を物語っています。また、これまではただ金を刷る
だけしか脳の無い男としてバーナンキFRB議長を非難する声が強まっています。
また、ウォールストリートの大手金融機関のみを救済しようとするオバマ大統領の金融政策
にも批判が集中しています。中間選挙を見れば国民の怒りが伺いしれます。
ただし、米国はありえない規模で量的緩和をおこなってきたため、ドルが希薄化したことで
ドル安が大きく進みました。さらに追加で量的緩和を行うのでドル安傾向は続きそうです。
そうなると輸出が伸びる可能性が高まります。海外にある工場を米国に引き上げる動きも
活発化することになるかもしれません。
オバマ大統領自身は米国の輸出を2倍にすると公言しています。米国は世界のGDPの
およそ3割を担う巨大市場です。
その巨大国家が輸出に転じるということは引き受けなければならない国が増えるということ
になります。日本も例外ではありません。そうなると経常収支を悪化する国が増えます。
リーマンショック以前は米国の住宅バブルが世界経済を大きく成長させたわけですが、
アメリカのドル安・輸出拡大政策によって世界経済を崩壊させることになるかもしれません。
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